バーチャルオフィスのデメリットとは？意外な落とし穴もあります！

「バーチャルオフィスってなんか怪しくない？デメリットはないのかな」

「バーチャルオフィスを使って起業したいけど、不利になるって本当？」

バーチャルオフィスは様々なメリットから、副業をされる方をはじめ、多くの方に利用されるようになってきました。

しかしながら、一方でデメリットが全く無いわけではありません。

それぞれのメリット、デメリットはどのようなものなのかを理解することで、バーチャルオフィスを最大限に活用できるようになるでしょう。

当然、全てのビジネスにとってバーチャルオフィスが最適な解答とは限りません。

本記事では、バーチャルオフィスのデメリットを中心に解説し、適切に対処すべきかについて解説いたします。

バーチャルオフィスを契約しようか迷っておられる方は、ぜひ参考にされてください。

バーチャルオフィスとは？

バーチャルオフィスとは、物理的なオフィスを構えるのではなくオフィスの機能だけを利用できる比較的新しいサービスです。

バーチャルオフィスは基本的には物理的なオフィスを提供しません。

機能だけの提供のため、コストがかからず、需要が増加傾向となっています。

現在はリモートワークなどが普及し、物理的なオフィスで働く意義が薄れてきました。

わざわざ割高なオフィスを借りるよりも、オフィスとしての機能だけを利用するほうが効率的かつコストを抑えられます。

また起業当時や、副業を開始する方がオフィスを借りるのは費用の面からも得策とは言えないのです。

様々な観点からバーチャルオフィスは、新しいオフィスの形として認知されつつあります。

バーチャルオフィスとレンタルオフィスとの違い

起業しようという方で、バーチャルオフィスとレンタルオフィスのどちらを契約しようか迷っているという方もいらっしゃるのではないでしょうか。

バーチャルオフィスとレンタルオフィスの大きな相違点は

• 物理的なスペースの有無
• コスト面

この2点です。

バーチャルオフィスは物理的なスペースは提供しないことが一般的です。

対してレンタルオフィスは物理的なスペースを提供し、その場で仕事をすることができます。

また、コスト面でも差があります。

バーチャルオフィスは物理的なスペースを提供しない分、レンタルオフィスに比べて大幅に低コストで利用できます。

作業スペースは自宅で、オフィスにかかる費用を抑えたいという方は「バーチャルオフィス」。

自宅では作業がしにくいので、実際の作業スペースが欲しいという方は「レンタルオフィス」の活用がおすすめです。

	バーチャルオフィス	レンタルオフィス
物理的なスペース	なし	あり
サービス内容	郵便物の受取、電話の転送、住所の利用など	机や椅子などの設備利用、会議室利用など
費用	安い	比較的高い
メリット	初期費用や月額費用が安い プライバシーを守れる	自宅以外のワークスペースが確保できる
デメリット	対面での打ち合わせがしづらい 特定の業種では利用できない可能性がある	初期費用や月額費用が高い 通勤時間や交通費がかかる

バーチャルオフィスの基本的なサービスや機能

バーチャルオフィスに求められる基本的な機能は、住所の利用です。

しかし住所の利用だけで、オフィスに求められる機能を賄えるわけでは有りません。

法人登記が出来るサービスなど、様々な機能が求められます。

ここでは、バーチャルオフィスでよく提供されるサービスをご紹介いたします。

電話番号やFAX番号が利用可能

一部のバーチャルオフィスでは、電話番号やFAXの番号が利用可能です。

一般的なオフィスにある電話機を設置しなくても、バーチャルオフィスを利用すれば独自の電話番号が利用できるのです。

これには大きく2つのメリットがあります。

• 取引先に信用されやすくなる
• 時間を確保しやすくなる

東京都内の住所を利用できるバーチャルオフィスでは、東京03から始まる固定電話の番号を利用できます。

名刺やホームページにも利用できるため、企業のブランドイメージの向上に役立つでしょう。

また時間の確保という意味でも重要です。

電話応対は意外と時間がかかり、仕事の時間がなくなってしまうという経験はありませんか。

電話代行などの秘書業務も代行してもらえるサービスもあるため、ビジネスに使える時間も確保しやすくなります。

取引先と電話でのやり取りがメインだという方は、電話番号付与サービスを行っているバーチャルオフィスを選ぶのが良いでしょう。

会議室が利用可能

バーチャルオフィスの中には、会議室を併設しているものもあります。

今まではWEB上での打ち合わせで十分だったのが、対面の打ち合わせが増えてきたという方も多いのではないでしょうか。

対面で打合せ時に、会議室が利用できると非常に役立ちます。

一般的に、会議室の利用は時間単位で貸し出すことが多いので、余分なコストを掛けなくても良いのが嬉しいポイントですね。

バーチャルオフィスの住所は、ビジネス街の一等地に設定されていることが多いです。

会議室がある拠点もビジネスの一等地にあるので、交通の便がいいのも良いポイント。

クライアントに足を運んでもらう際も、交通面の負担をかけることは少ないはずです。

会議室を利用する際はプロジェクターやホワイトボードなど、打合せ時に必要なものは事前に備え付けられているか確認しましょう。

郵便の受け取りや急な来客対応をしてくれる

バーチャルオフィスの拠点に、スタッフを常駐させている場合があります。

別途料金が必要な場合もありますが、本人確認が必要な郵便の受け取りや、急な来客対応も任せることが可能です。

クライアントに住所を伝えている場合、「近くによったのでご挨拶に」と急に来訪されることがあるかもしれません。

そのような場合でも「代表者が不在である」ことを伝え適切に対処してくれるのです。

不在時の対応は、クライアントの信頼感を獲得するのに一役買っていると言えるでしょう。

物理的なオフィスがなくても、オフィス機能を代替できるサービスはとても便利ですね。

バーチャルオフィスのメリット・デメリット

バーチャルオフィスには様々なメリットがあり、起業を考えている方には特におすすめできます。

しかし、メリットだけでなくデメリットも当然存在します。

利用する前に、メリット・デメリットを把握してご自身のビジネスに最適かを確認していきましょう。

メリット①コストを抑えられる

バーチャルオフィスのメリットは、圧倒的にコストを抑えることが出来る点です。

バーチャルオフィスは、高いものでも月額1万円程度、安いものだと500円以下の月額料金と非常にリーズナブルに利用できます。

しかも都内の一等地の住所を利用できるのです。

同じ条件でレンタルオフィスと比較してみましょう。

安いレンタルオフィスで1万円から。

高いものだと6万円を超えてしまいます。

バーチャルオフィスとレンタルオフィス、それぞれの安いもので比較すると約20倍以上ものコストがかかってしまうのです。

オフィスの固定費が高くなってしまうと利益を圧迫してしまうので、バーチャルオフィスを利用してコストを抑えるとビジネスの成功につなげやすくなりそうですね。

メリット②住所取得までのスピードが速い

バーチャルオフィスの一つの大きなメリットとして、ビジネス用の住所取得までのスピードが速い点が挙げられます。

これは、新たなビジネスをすばやくスタートさせるためには重要ではないでしょうか。

ビジネスを始める際、商号登録や事業所の設置などには住所が必要です。

しかし、物理的なオフィスを借りると賃貸契約などにより時間とコストがかかってしまいますよね。

これに対してバーチャルオフィスは、オンライン上で契約が完結し、すぐにビジネス用の住所を提供してくれます。

例えば、特定のバーチャルオフィスサービスでは、オンライン申し込みから契約までが数時間で完了し、即日でビジネス用の住所が取得可能です。

これによりビジネスの立ち上げを速やかに進めることが可能になります。

時間とコストの制約から解放され、ビジネスの可能性を広げるチャンスになるかもしれません。

メリット③プライバシーを保護できる

バーチャルオフィスのもう一つの重要なメリットは、自分のプライバシーを保護することができるという点です。

自宅住所を公開するリスクを回避し、個人の生活とビジネスを適切に区別することができるようになります。

例えばECショップを開設される方は、特定取引法において住所を開示する義務があるためビジネスにおける住所がどうしても必要なのです。

もし自宅の住所を使いたいという場合は次のリスクに備える必要があります。

• イタズラや不審者の訪問
• 賃貸物件ならばビジネス上の住所として利用できない

このようなことを避けるためにも、バーチャルオフィスの利用をおすすめいたします。

メリット④一等地の住所などを借りればブランディングも可能

バーチャルオフィスには、自社のビジネスイメージを向上させるメリットもあります。

企業の所在地は、その企業のイメージを大きく左右しかねません。

ビジネス街の一等地にオフィスがあると、信頼性や安定感を感じさせ、顧客や取引先からの印象が良くなるでしょう。

例えば、東京の銀座や港区などの一等地に「オフィス」を構えているという情報を公開するだけでも企業のイメージがアップします。

しかし、実際に一等地にオフィスを構えるとなると、家賃や管理費などのコストが非常に高くなってしまいますよね。

バーチャルオフィスならば、かけるコストは少なくてもビジネス街の一等地の住所が利用可能です。

企業のブランディングが出来る点は、非常に大きいメリットではないでしょうか。

デメリット①許認可が下りない業種がある

バーチャルオフィスのデメリットは、すべての業種が利用できるわけではない点です。

特に物理的なスペースが必要な業種は利用できません。

日本の法律では消費者が不利益を被らないように、様々な法律が整備されています。

例えば金融商品取引業などが良い例です。

金融商品取引業は、顧客への投資の助言などをサービスとして提供しています。

この業務を行うためには実態のあるオフィスが必要なため、バーチャルオフィスは利用できません。

他にも様々な条件で、バーチャルオフィスを利用できない業種があります。

どのような業種が利用できないか気になる方は、以下の記事を参考にしてください。

バーチャルオフィスが違法って本当？怪しくない？法律も交えて解説

デメリット②他会社との住所の重複が起きる

バーチャルオフィスを使用する際の一つのデメリットとして、他の会社と住所が重複してしまう点です。

バーチャルオフィスの特性上仕方のないことと言えますが、多くの企業が同一の住所を使用するため起こってしまう現象です。

クライアントによっては、重複する住所がビジネスの信頼性に影響を及ぼすと感じる場合もあります。

また、同業他社と同じ住所を共有することは、競争上の不利益をもたらす可能性も。

SEO（検索エンジン最適化）の観点から見ても、企業名と住所が独自のものであることが重要です。

そのため、他の企業と住所が重複することはデメリットとなることもあります。

デメリット③顧客が混乱する可能性あり

バーチャルオフィスの利用で、顧客が混乱してしまう可能性もあります。

この混乱も、複数の企業が同一の住所を利用していることに原因があります。

例えば、クライアントが面談を希望し、ビジネスの登録先住所に直接訪れた場合、その場所が実際はバーチャルオフィスであると知り、戸惑うかもしれません。

また、商品やサービスについての問い合わせやサポートが必要な場合、物理的なオフィスが存在しないことから、クライアントが戸惑いを感じる可能性があります。

さらに、同一住所を利用している企業が不祥事を起こした場合、住所だけを見て自社が不祥事を起こしたかと思ってしまうクライアントもいるのです。

もし可能ならば、自社がバーチャルオフィスを利用していることをクライアントに告げるほうが、混乱を避けることができるかもしれません。

バーチャルオフィスの利用に関する誤認と疑問点の解消

バーチャルオフィスのメリット・デメリットだけでなく、様々な疑問点を解消することで安心して利用できるのではないでしょうか。

ここからは初めて利用される方、起業される方が疑問に思われることが多い項目について解説していきます。

法人用の銀行口座開設は？

結論から言うと、バーチャルオフィスを利用したとしても法人用の銀行口座は開設出来ます。

ただし、一部の銀行では、バーチャルオフィスの住所を使用して法人用の銀行口座を開設することを認めていない場合があります。

これは、銀行が企業の信用度を評価する際に、実際のオフィスの存在を確認したいと考えているからです。

例えば、ある企業がバーチャルオフィスを利用して、法人用の銀行口座を開設しようとした場合を取り上げてみましょう。

一部の銀行では、事業の規模や業績、さらには経営陣の信用情報などを詳細に確認した上で、バーチャルオフィスの住所の使用を許可する場合もあります。

逆に、これらの情報が不十分である場合、口座開設を拒否される可能性もあります。

バーチャルオフィスの利用で法人口座が開設できないわけではなく、あくまで事業内容に基づき銀行が判断するのです。

バーチャルオフィス運営者の中には、法人口座の開設を手助けしてくれるサービスを行っている場合もあります。

当サイトでは銀行を紹介してくれるという観点からも、バーチャルオフィスを紹介しているので気になる方はぜひチェックしてみてください。

創業融資では不利になる？

バーチャルオフィスを利用することで、創業融資時に不利に働くわけでは有りません。

ただし、バーチャルオフィスを利用するのを隠さない方がいいでしょう。

融資を受ける際に、嘘をついたり、隠そうとした場合は不利に働いてしまうかもしれません。

融資を受けられるかは、あくまで事業計画や信頼性に基づき判断されます。

将来的な収益性を含め、自社のビジネスプランを明確に示すことが重要です。

バーチャルオフィスでも社会保険や雇用保険の申請ができるのか？

バーチャルオフィスを使用している企業でも、社会保険や雇用保険の申請は可能です。

社会保険や雇用保険の申請は、ビジネスの形態やオフィスの形状よりも、従業員がいることや給与を支払っている事実が評価されます。

従って、バーチャルオフィスを使用していても、必要な手続きを適切に行い、適用条件を満たしていれば、これらの保険に加入することができます。

例えば、リモートワークに力を入れるIT企業がバーチャルオフィスを利用しているとします。

この企業は、全国からのリモートワーカーを雇用し、それぞれに給与を支払っています。

この場合、社会保険や雇用保険の適用条件を満たすため、それらの保険に申請することができます。

クライアントや金融機関、公的機関からの信用・信頼性は？

バーチャルオフィスを利用していても、企業の信用・信頼性はその経営方針、事業内容、実績などによって決まるため、必ずしも低下するとは限りません。

バーチャルオフィスの利用は、コスト削減などの観点から有効な手段であると広く認知されてきています。

そのため、バーチャルオフィスの使用自体が信用・信頼性を損なう要素ではなく、逆に効率的な経営を行っているとの評価を得ることもあるのです。

しかし、自社のオフィスがバーチャルオフィスであることを隠したり、嘘をつくのはいけません。

信用・信頼は誠実さが根底にあります。

バーチャルオフィスの利用自体を戦略的に活用し、適切にクライアントとのコミュニケーションを行うことで、信用・信頼性を保つことは十分に可能です。

バーチャルオフィスの選び方と利用前の確認ポイント

バーチャルオフィスのメリット・デメリットと、疑問点は把握できましたでしょうか。

最終的に利用を開始する前に、確認したほうがよいポイントについて解説いたします。

登記ができるか

法人登記を希望される場合、利用するバーチャルオフィスが対応しているかを確認しましょう。

ほとんどのバーチャルオフィスで法人登記には対応していますが、料金プランが異なっている場合もあります。

またバーチャルオフィスの拠点によって値段が違う場合があるため、理想の住所では登録できない可能性もあるのです。

法人登記をどの住所で行いたいかをまず決め、その後にご自身の予算と相談しながらバーチャルオフィスを決めるのが良いでしょう。

料金プラン選定

ご自身が契約されるバーチャルオフィスのプランを確認しましょう。

プランによっては、ご自身のビジネスに合わない可能性も出てきますので注意が必要です。

例えば郵便物の転送頻度。

一般的には転送頻度によって料金プランが設定されることが多いです。

転送頻度が少ないうちは月1回転送などの、格安プランで契約するのが良いでしょう。

しかし転送頻度が多くなってきた場合に備えて、料金設定が変更できるかも確認しましょう。

郵便物の転送頻度だけでなく、電話番号付与、電話代行など提供されるサービスによって料金プランが変わってきます。

ご自身のビジネスにどのようなプランが最適なのかを確認してから、バーチャルオフィスを選びましょう。

契約形態

バーチャルオフィスを契約する際に、利用期間によって料金が変わる場合もあります。

多くのバーチャルオフィスは、1年単位での契約が多いです。

しかし契約したバーチャルオフィスが、あなたのビジネスにマッチしているかはわかりません。

1年単位よりは割高になってしまいますが、1ヶ月単位で契約できるプランを提供している運営会社もあります。

どの運営会社がご自身のビジネスに合うかも含めて、バーチャルオフィスを選びましょう。

立地、駅からのアクセスなど

バーチャルオフィス運営会社が提供する、拠点の立地も確認しましょう。

理由としては、ビジネス街の一等地の住所を利用できるという意味もありますが、以下の点も考慮したほうが良いです。

• 会議室の利用
• 郵便物の直接引き取り
• ラウンジの利用

バーチャルオフィスの中には、会議室を併設しているものもあります。

WEBでの打ち合わせが主流という方でも、対面の打ち合わせが必要になる場合もあるのではないでしょうか。

その場合、交通面の負担を減らすためにアクセスの良い立地を選ぶのは重要です。

またバーチャルオフィスの近くにお住まいの方は、郵便物を直接引き取りに行けたり、ラウンジを利用することも出来ます。

バーチャルオフィスのサービスだけでなく、対面でのやり取りが増えてきそうという方は、立地やアクセスの良さなども考慮に入れましょう。

経営、営業上の人脈づくり

バーチャルオフィスの中には、異業種交流会を積極的に行う運営会社もあります。

副業や、起業したてはどうしても孤独になってしまいます。

同じバーチャルオフィスを利用している方同士で交流すると、新たなビジネスチャンスが生まれることもありますよ。

実際バーチャルオフィスを使って感じるデメリットとは？

筆者はバーチャルオフィスを使って3年経ちます。

様々なバーチャルオフィスを利用してきましたが、デメリットらしいものはあまり感じたことがありません。

あるとすれば、契約更新のタイミングを逃してしまいそうになったということでしょうか。

運営会社にもよりますが、自動更新になってしまう場合もあるので注意しないといけません。

バーチャルオフィスを乗り換えようかなと思っていても、気付いたらそのまま使っていたということにもなりかねないからです。

まとめ

バーチャルオフィスのデメリットや疑問点について解説いたしました。

特に注意すべきデメリットとしては

• 許認可が下りない業種がある
• 他社との住所の重複
• 顧客が混乱する可能性がある

という点ではないでしょうか。

バーチャルオフィスを利用しているからといって、ビジネス上不利になるようなことはありません。

バーチャルオフィスはデメリットよりも遥かにメリットのほうが多いです。

どのようなバーチャルオフィスが良いか迷われている方は、下記のページをご参照ください。

Q&A：よくある質問とその回答